※あくまで手引きに記載された試験範囲として、内容をまとめたものです。
※既に試験に受かっている方はここの記載だけを当てにしないでください。
※成分名前の☆は三重県の平成25~29年での第三章の試験にて、名称が登場した回数です。(1回以上登場した年を1とカウントしています。また、名称のみを参照)
【禁】禁忌、【相】相談、【重】重篤な副作用、【副】その他の副作用、【注】備考等
(OTC添付文書への表記方法に従う。そのため、手引きでは「避ける」といった表現も【禁】ではなく【相】に当たるものもある。基本的にどのような表記だろうが『ダメ』だと考えれば問題ない)
●プロスタグランジンとは
・病気や外傷時に活発に産生させ、脳への痛みの伝達が増幅する
・体温調節する部位に作用し、通常より体温を高く調節する
・胃粘膜の産生に関与。低下で胃痛等が起こりやすくなる
●解熱鎮痛薬について
・多くはプロスタグランジンの産生抑制
・腹痛等の内臓痛(生理痛は除く)には一部の漢方を除き効果は期待できない
・[解熱として]通常、体温38℃以下では使用する必要はない(ひきつけ等の恐れはないため)
・予防的な使用は不適切
●解熱鎮痛成分(化学合成成分)
共通事項
・プロスタグランジン産生抑制(アセトアミノフェンは除く)
・腎臓での水分再吸収を促進し、循環血流量が増えることで発汗促進
・【禁】長期連用
・【禁】飲酒
・【相】心臓病、腎臓病、肝臓病、胃・十二指腸潰瘍
・【重】ショック、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、喘息(「アスピリン喘息」。ただし、アスピリンに限らない)
☆☆☆☆☆アスピリン(アセチルサリチル酸)[サリチル酸系]
・他の解熱鎮痛成分に比べ胃腸障害が起きやすい(アスピリンアルミニウムとして軽減を図ったものもある)
・医療用医薬品としては血栓予防薬としても使われる
・【禁】15歳未満(ライ症候群の可能性)
・【禁】出産予定12週以内(血液を凝固しにくくする作用)
・【重】肝機能障害
☆☆☆☆サザピリン[サリチル酸系]
・【禁】15歳未満(ライ症候群の可能性)
☆サリチルアミド[サリチル酸系]
・【禁】水痘(水疱瘡)やインフルエンザに罹っていたり、疑いのある15歳未満
☆☆☆☆エテンザミド[サリチル酸系]
・痛みが神経を伝わるのを抑える働きが強いという仕組みを利用し、他の解熱鎮痛成分と組み合わされることが多い。代表的なのが、「アセトアミノフェン」「カフェイン」「エテンザミド」による『ACE処方』
・【禁】水痘(水疱瘡)やインフルエンザに罹っていたり、疑いのある15歳未満
☆☆☆☆☆アセトアミノフェン
・主に中枢作用による解熱鎮痛のため、胃腸障害が少なく、空腹時に使用できる製品も存在
・代わりに末梢での抗炎症作用は期待できない
・飲酒が多い人に重篤な副作用が起こりやすい(※そもそも服用前後の飲酒は、解熱鎮痛成分を配合した風邪薬及び解熱鎮痛薬では禁忌だが、特に日常的に飲酒している人は注意)
・【重】皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、
中毒性表皮壊死融解症、急性汎発性発疹膿疱症、間質性肺炎、腎障害、肝機能障害
☆☆☆☆☆イブプロフェン
・アスピリン(アセチルサリチル酸)に比べ、胃腸障害が少ない
・抗炎症作用もあり、頭痛、咽頭痛、生理痛、腰痛等に使用されることが多い
・【禁】15歳未満
・【禁】出産予定日12週以内
・【相】胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン氏病既往歴(再発の可能性)
・【相】全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病(無菌性髄膜炎を生じやすい)
・【重】肝機能障害、腎障害、無菌性髄膜炎
☆☆イソプロピルアンチピリン
・解熱鎮痛作用が比較的強い、代わりに抗炎症は弱い
・(現時点で)OTC唯一のピリン系(アスピリンやサザピリンはピリン系ではない)
・薬疹(ピリン疹)に注意
●解熱鎮痛成分(生薬)
共通事項
・解熱及び鎮痛の仕組みがが化学合成成分とは異なるため、それらを避けなければならない場合にも使用できる
地竜[解熱]
・フトミミズ科、内部を除いたもの
芍薬[鎮痛鎮痙、鎮静]
・ボタン科、シャクヤクの根
牡丹皮[鎮痛鎮痙、鎮静、内臓痛]
・ボタン科、ボタンの根皮
防已[鎮痛、利尿。日局:筋肉痛、神経痛、関節痛(煎薬として)]
・ツヅラフジ科、オオツヅラフジの蔓性の茎及び根茎を通例、横切りしたもの
●その他
☆☆☆コンドロイチン硫酸(コンドロイチン硫酸ナトリウム)
(特記事項なし)
⇒滋養強壮薬
・軟骨組織の主成分、軟骨成分の形成や修復
・関節痛、筋肉痛等改善、ビタミンB1と組み合わされる
☆☆甘草[抗炎症、気道粘膜からの分泌促進。日局:(煎薬として)激しい咳、口内炎、しわがれ声、痔や脱肛の痛み]
(鎮咳去痰薬より転記)
・マメ科、ウラルカンゾウ又はグリキルリザ・グラブラの根及びストロン、ときに周皮を除いたもの
・グリチルリチン酸を含む
・【禁】長期連用(1g↑/1日)
・【相】むくみ、心臓病、腎臓病、高血圧、高齢者(1g↑/1日)
・【注】甘草は甘味料としても利用されている
(出題回数に漢方のカンゾウを含むかの問いは含まない)
(ストロン:匍匐茎とも言い、地上を這って伸びる茎のことで、そこから新たに育ち広がっていく)
生姜[発汗による解熱補助]
・ショウガ科、ショウガの根茎
⇒胃腸薬(健胃系)
生姜[健胃(芳香)]
・ショウガ科、ショウガの根茎
☆桂皮[発汗による解熱補助]
・クスノキ科、シンナモムム・カッシアの樹皮又は周皮の一部を除いたもの
⇒胃腸薬(健胃系)
桂皮[健胃(芳香)]
・クスノキ科、シンナモムム・カッシアの樹皮又は周皮の一部を除いたもの
●鎮痛成分
・脳の興奮抑制により痛覚を鈍くする
☆アリルイソプロピルアセチル尿素
・依存性が高い
・【禁】機械類の操作(眠気)
☆☆☆ブロモバレリル尿素(ブロムワレリル尿素)
・アリルイソプロピルアセチル尿素と同じ
・【相】妊婦、妊娠疑い
☆鹿子草(吉草根)[神経の興奮・緊張緩和]
(睡眠鎮静薬より転記)
・オミナエシ科、カノコソウの根茎及び根
●制酸成分
・解熱鎮痛成分によるの胃腸障害の軽減
ケイ酸マグネシウム[マグネシウム]
(胃腸薬(健胃)より転記)
・【注】下痢(マグネシウムは瀉下薬にも使われる)
☆酸化マグネシウム[マグネシウム]
(胃腸薬(健胃)より転記)
・ケイ酸マグネシウムと同じ
乾燥水酸化アルミニウムゲル[アルミニウム]
(胃腸薬(健胃)より転記)
・【禁】透析療法中、長期連用(アルミニウム脳症等の可能性)
・【注】便秘(アルミニウムは止瀉薬にも使われる)
☆メタケイ酸アルミン酸マグネシウム[アルミニウム、マグネシウム]
(胃腸薬(健胃)より転記)
・【禁】透析療法中、長期連用(アルミニウム脳症等の可能性)
・【注】便秘(アルミニウムは止瀉薬にも使われる)、下痢(マグネシウムは瀉下薬にも使われる)
・ゼラチン状の皮膜を胃粘膜に形成して保護する作用もある
●筋弛緩成分
メトカルバモール
・脊髄反射抑制により骨格筋の緊張を緩和
・【禁】機械類の操作(眠気、ふらつき等)
・【禁】[併用]鎮静成分含有薬
・【副】消化器系(吐き気、食欲不振、胃部不快感)
●カフェイン
・鎮痛補助、疲労感や倦怠感の緩和
・鎮静成分の眠気を取り除くものではない
☆☆☆☆☆カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン
(眠気防止薬より転記)
・利尿作用
・摂取量の上限は、200mg/1回、500mg/1日
・【禁】心臓病、胃酸過多、胃潰瘍、長期連用
・【相】妊婦、妊娠疑い、授乳中
・【副】震え、めまい、不安、不眠、頭痛、胃腸障害、動悸
●ビタミン
☆☆ビタミンB1
(特記事項なし)
⇒滋養強壮薬
・主成分:チアミン(チアミン塩化物塩酸塩、フルスルチアミン塩酸塩等)
・炭水化物からのエネルギー産生に必要、神経機能の正常化、腸管運動促進
・神経痛、筋肉痛、関節痛、手足のしびれ、便秘、眼精疲労、脚気、ビタミンの補給
☆☆☆ビタミンB2
(特記事項なし)
⇒滋養強壮薬
・主成分:リボフラビン(リボフラビン酪酸エステル、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム等)
・脂質の代謝に関与、皮膚や粘膜機能の正常化
・口角炎、口唇炎、口内炎、舌炎、湿疹、皮膚炎、かぶれ、ただれ、にきび、肌荒れ、赤鼻、目の充血、目のかゆみ、ビタミンの補給
・【注】尿が黄色くなる(元の成分の色であり、問題は無い)
☆☆ビタミンC
(特記事項なし)
⇒滋養強壮薬
・主成分:アスコルビン酸(アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等)
・抗酸化作用、メラニンの産生抑制、皮膚や粘膜機能の正常化
・しみ、そばかす、日焼けやかぶれによる色素沈着、歯茎や鼻の出血の予防、ビタミンの補給
●漢方[体力](含カンゾウ、マオウ、ダイオウ)
☆☆芍薬甘草湯[不問](カ)
・筋肉の急激な痙攣を伴う痛みあるもの:筋肉の痙攣、腹痛、腰痛
・【禁】長期連用(症状が出たときのみ使用)
・【禁】心臓病
・【重】肝機能障害、間質性肺炎、鬱血性心不全、心室頻拍
桂枝加朮附湯[虚弱](カ)
・汗が出る、手足が冷えて強張る、時に尿量が少ないもの:関節痛、神経痛
・【相】のぼせが強く赤ら顔で体力が充実
・【副】動悸、のぼせ、ほてり
桂枝加苓朮附湯[虚弱](カ)
・汗が出る、手足が冷えて強張る、時に尿量が少ないもの:関節痛、神経痛
・【相】のぼせが強く赤ら顔で体力が充実
・【副】動悸、のぼせ、ほてり
☆薏苡仁湯[中等度](カ)
・関節や筋肉の腫れや痛みがあるもの:関節痛、筋肉痛、神経痛
・【相】虚弱、胃腸が弱い、発汗傾向
・【副】悪心、嘔吐、胃部不快感
麻杏薏甘湯[中等度](カ)
・関節痛、神経痛、筋肉痛、いぼ、手足のあれ
・【相】虚弱、胃腸が弱い、発汗傾向
・【副】悪心、嘔吐、胃部不快感
疎経活血湯[中等度](カ)
・痛み、時に痺れがあるもの:関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛
・【相】胃腸が弱く下痢しやすい
・【副】食欲不振、胃部不快感
当帰四逆加呉茱萸生姜湯[中等度↓](カ)
・手足の冷え、下肢の冷えが強い、下肢や下腹部が痛くなりやすいもの:腰痛、下腹部痛、頭痛、霜焼け、下痢、月経痛
・【相】胃腸が弱い
釣藤散[中等度](カ)
・慢性に経過する頭痛、めまい、肩凝りなどがあるもの:慢性頭痛、神経症、高血圧
・【相】胃腸虚弱で冷え性
・【副】食欲不振、胃部不快感
呉茱萸湯[中等度↓]
・手足の冷え、肩こり、時に鳩尾が膨満するもの:頭痛、頭痛に伴う吐き気や嘔吐、しゃっくり
●相互作用
・【禁】[併用]他の解熱鎮痛薬、風邪薬、鎮静薬
・【禁】飲酒
睡眠鎮静薬
・尿素系
眠気防止薬
・カフェイン