この成分って何だっけ?そんな疑問を解決します

登録販売者の成分を知るサイト

スポンサーリンク

07.鎮咳去痰薬

※あくまで手引きに記載された試験範囲として、内容をまとめたものです。

※既に試験に受かっている方はここの記載だけを当てにしないでください。

※成分名前の☆は三重県の平成25~29年での第三章の試験にて、名称が登場した回数です。(1回以上登場した年を1とカウントしています。また、名称のみを参照)

【禁】禁忌、【相】相談、【重】重篤な副作用、【副】その他の副作用、【注】備考等

(OTC添付文書への表記方法に従う。そのため、手引きでは「避ける」といった表現も【禁】ではなく【相】に当たるものもある。基本的にどのような表記だろうが『ダメ』だと考えれば問題ない)

 

鎮咳ちんがい成分(麻薬性)

・延髄の咳嗽がいそう中枢に作用

☆☆コデインリン酸塩

【禁】長期連用

【禁】授乳中(血液胎盤関門を成分の一部が通過し胎児へ移行するため)

【禁】※12歳未満(2019年度より完全実施)

【副】便秘

(※平成30年3月の手引き改訂よって追加されたもので、平成29年以前の過去試験では問われていない)

☆☆☆☆ジヒドロコデインリン酸塩

・コデインリン酸塩と同じ

 

●鎮咳成分(非麻薬性)

☆☆☆ノスカピン

(特記事項なし)

☆ノスカピン塩酸塩

(特記事項なし)

☆デキストロメトルファン臭化水素酸塩

(特記事項なし)

チペピジンヒベンズ酸塩

(特記事項なし)

☆ジメモルファンリン酸塩

(特記事項なし)

☆クロペラスチン塩酸塩

(特記事項なし)

クロペラスチンフェンジゾ酸塩

(特記事項なし)

半夏ハンゲ[鎮咳]

・サトイモ科、カラスビシャクのコルク層を除いた塊茎かいけい

●アドレナリン作動成分

・気管支の拡張で呼吸を楽にする

【相】心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害(ただし、プソイドエフェドリン塩酸塩は【禁】(プソイドエフェドリン塩酸塩については内服アレルギー用薬等を参照))

☆☆☆メチルエフェドリン塩酸塩

依存性

【相】授乳中(一部が乳汁中へ移行)

メチルエフェドリンサッカリン塩

・メチルエフェドリン塩酸塩と同じ

☆トリメトキサノール塩酸塩

(特記事項なし)

メトキシフェナミン塩酸塩

(特記事項なし)

麻黄マオウ[気管支拡張、発汗促進、利尿]

・マオウ科、マオウ又はエフェドラ・エクイセチナの地上茎

(登場回数に漢方製剤のマオウを含むかどうかの問いは対象外)

 

●キサンチン系成分

・自律神経系を介さず気管支の平滑筋に直接作用し弛緩

☆☆ジプロフィリン

【相】甲状腺機能障害、てんかん

【副】動悸

 

●去痰成分

☆☆☆☆グアイフェネシン

・気道粘膜からの粘液分泌促進

 

グアヤコールスルホン酸カリウム

・気道粘膜からの粘液分泌促進

 

クレゾールスルホン酸カリウム

・気道粘膜からの粘液分泌促進

 

エチルシステイン塩酸塩

・痰中の粘性蛋白質を溶解・低分子化して粘性を弱める

 

☆メチルシステイン塩酸塩

・痰中の粘性蛋白質を溶解・低分子化して粘性を弱める

 

☆カルボシステイン

・痰中の粘性蛋白質を溶解・低分子化して粘性を弱める

・粘液成分の含有比調整で痰の切れを良くする

 

☆☆☆ブロムヘキシン塩酸塩

・分泌促進、溶解・低分子化、繊毛運動促進

 

●抗炎症成分

☆☆トラネキサム酸

(風邪薬より転記)

・気炎物質の産生抑制

【相】血栓(血栓(脳血栓や心筋梗塞等)を溶けにくくする)

 

☆☆☆グリチルリチン酸カリウム

(風邪薬より転記)

・ステロイドに似ている(ステロイドについては後に説明)

大量摂取は偽アルドステロン症を発症恐れ

【禁】長期連用(40mg↑/1日)

【相】むくみ、心臓病、腎臓病、高血圧、高齢者(40mg↑/1日)

【注】グリチルリチン酸は甘味料としても利用されている

☆☆甘草カンゾウ[抗炎症、気道粘膜からの分泌促進。日局:(煎薬として)激しい咳、口内炎、しわがれ声、痔や脱肛の痛み]

・マメ科、ウラルカンゾウ又はグリキルリザ・グラブラの根及びストロン、ときに周皮を除いたもの

グリチルリチン酸を含む

【禁】長期連用(1g↑/1日)

【相】むくみ、心臓病、腎臓病、高血圧、高齢者(1g↑/1日)

・【注】甘草は甘味料としても利用されている

(出題回数に漢方のカンゾウを含むかの問いは含まない)

(ストロン:匍匐茎ほふくけいとも言い、地上を這って伸びる茎のことで、そこから新たに育ち広がっていく)

 

●抗ヒスタミン成分

・アレルギーに起因する咳や気道の炎症抑制

気道粘膜での粘液分泌抑制を行うため痰が出にくくなることがある

(アレルギー用内服薬より転記)

【禁】機械類の操作(眠気等)

【相】排尿困難、緑内障

【副】排尿困難、口渇、便秘

☆☆☆クロルフェニラミンマレイン酸塩

(アレルギー用内服薬より転記)

(特記事項なし)

☆クレマスチンフマル酸塩

(アレルギー用内服薬より転記)

(特記事項なし)

カルビノキサミンマレイン酸塩

(アレルギー用内服薬より転記)

(特記事項なし)

 

●殺菌消毒成分

・口腔内や咽頭部で局所的に作用するため、トローチやドロップ剤は噛み砕いて飲み込んでしまうと効果が期待できない

☆☆☆セチルピリジニウム塩化物

(鼻炎用薬より転記)

効果○:細菌、真菌

効果×:結核菌、ウイルス

 

●生薬

☆☆☆杏仁キョウニン[鎮咳]

・バラ科、ホンアンズ等の種子

南天実ナンテンジツ[鎮咳]

・メギ科、シロミナンテン又はナンテンの果実

五味子ゴミシ[鎮咳]

・マツブサ科、チョウセンゴミシの果実


⇒滋養強壮薬

五味子ゴミシ[強壮]

・マツブサ科、チョウセンゴミシの果実

車前草シャゼンソウ[去痰。日局:(煎薬として)鎮咳]

・オオバコ科、オオバコの花期の全草

車前子シャゼンシ[去痰]

・オオバコ科、オオバコの種子

桜皮オウヒ[去痰]

・バラ科、ヤマザクラ又はその他近縁植物の通例、周皮を除いた樹皮

桔梗キキョウ[去痰、鎮咳(痰を伴う咳)]

・キキョウ科、キキョウの根

☆セネガ[去痰]

・ヒメハギ科、セネガ又はヒロハセネガの根

[1.2g↑/1日]糖尿病の検査値に影響する(改善と誤認)

遠志オンジ[去痰]

・ヒメハギ科、イトヒメハギの根

[1g↑/1日]糖尿病の検査値に影響する(改善と誤認)

石蒜セキサン[去痰]

・ヒガンバナ科、ヒガンバナの鱗茎りんけい

・セキサンのエキスは「白色濃厚セキサノール」とも呼ばれる

麦門冬バクモンドウ[鎮咳、去痰、滋養強壮]

・ユリ科、ジャノヒゲの根の膨大部

 

●漢方[体力](含カンゾウ、マオウ、ダイオウ)

甘草湯カンゾウトウ[不問](カ)

・激しい咳、口内炎、しわがれ声、痔や脱肛の痛み(外用として)

・【注】エキス製剤は乳幼児にも使用されるが、体格の個人差から体重あたりの摂取量が多くなることがある

☆☆半夏厚朴湯はんげこうぼくとう[中等度↑↓](-)

・気分が塞いで咽喉や食道部に異物感、時に動悸、眩暈、嘔気等を伴う不安神経症、神経性胃炎、悪阻つわり、咳、しわがれ声、喉のつかえ感

柴朴湯さいぼくとう小柴胡合半夏厚朴湯しょうさいこごうはんげこうぼくとう)[中等度](カ)

・気分が塞いで咽喉や食道部に異物感、風邪を引きやすく時に動悸、眩暈、嘔気等を伴うものの小児喘息、気管支喘息、気管支炎、咳、不安神経症

【相】むくみ

【重】間質性肺炎、肝機能障害

【副】膀胱炎様症状(頻尿、排尿痛、血尿、残尿感)

☆☆☆麦門冬湯ばくもんどうとう[中等度↓](カ)

痰が切れにくい、時に強く咳き込み、又は咽頭の乾燥感があるもの:咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声

【相】水様痰の多い

【重】間質性肺炎、肝機能障害

五虎湯ごことう[中等度↑](カ、マ)

・咳が強く出るもの:咳、気管支喘息、気管支炎、小児喘息、感冒、痔の痛み

【相】胃腸が弱い、発汗傾向

麻杏甘石湯まきょうかんせきとう[中等度↑](カ、マ)

・咳が出る、時に喉が渇くもの:咳、小児喘息、気管支喘息、気管支炎、感冒、痔の痛み

【相】胃腸が弱い、発汗傾向

神秘湯しんぴとう[中等度↑](カ、マ)

・咳、喘鳴ぜんめい、息苦しさ、痰が少ないもの:小児喘息、気管支喘息、気管支炎

【相】胃腸が弱い、発汗傾向

 

●相互作用

・【禁】[併用]他の鎮咳去痰薬、風邪薬、抗ヒスタミンやアドレナリン作動を含む薬(鼻炎用薬、睡眠鎮静薬、鎮暈薬、アレルギー用薬)

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

投稿日:2017年6月17日 更新日:

Copyright© 登録販売者の成分を知るサイト , 2024 All Rights Reserved.