01.風邪薬

【禁】:使用してならない、しない、避ける、適用外
【相】:治療を行っている医師、調剤を行った薬剤師への相談
【重】:まれに起こる重篤な副作用
【副】:一般的に現れやすい副作用、漢方製剤では不向きも含む
【注】:再発を招く、要観察、注意喚起、その他注意点
【効】:漢方製剤等の効能、効果
【主】:主製剤

◆風邪薬で使われる成分

解熱鎮痛(げねつちんつう)

・プロスタグランジンの産生抑制による解熱

・局所のプロスタグランジンの産生抑制による鎮痛(アセトアミノフェンを除く)

・服用はなるべく空腹を避けるべきとされる

・腹痛等の内臓痛には仕組みの違いから期待できないが、月経痛(生理痛)には期待できる

●全体

【禁】

飲酒 肝機能障害の可能性
【相】 心臓病 循環血液増加による負担による悪化
腎臓病 末梢のプロスタグランジン産生抑制による腎血流の減少による悪化
肝臓病

成分の代謝に生じる物質のアレルゲン化の可能性による悪化

プロスタグランジン産生抑制に生じる炎症による悪化
胃・十二指腸潰瘍 プロスタグランジン産生抑制による胃酸増加と胃壁の血流減少による悪化
妊婦、妊娠疑い 胎児への影響を考慮
【重】 アナフィラキシー

皮膚粘膜眼症候群(ひふねんまくがんしょうこうぐん)

中毒性表皮壊死融解症(ちゅうどくせいひょうひえしゆうかいしょう)
アスピリン喘息(ぜんそく) 解熱鎮痛の成分として、「アセチルサリチル酸」特有の症状ではない

●サリチル酸系

・アセチルサリチル酸(アスピリン)

-胃腸障害が起こりやすい

-「アスピリンアルミニウム」として胃腸障害を軽減したものもある

-医療用として血栓予防薬としても使用される

【禁】 15歳未満 ライ症候群の可能性
出産予定12週以内 血液凝固緩和作用の母体への影響を考慮
【相】 血栓予防で既に同成分含有製剤を使用中 成分の重複
【重】 肝機能障害

・サザピリン

【禁】 15歳未満 ライ症候群の可能性

・エテンザミド

-痛みが神経を伝うのを抑制

-相乗効果期待から組み合わせで使用、特に「アセトアミノフェン」「カフェイン」とで「ACE処方」と呼ばれる

【禁】 水痘(すいとう)水疱瘡(みずぼうそう))、インフルエンザに罹っている15歳未満 ライ症候群の可能性

・サリチルアミド

【禁】 水痘(すいとう)水疱瘡(みずぼうそう))、インフルエンザに罹っている15歳未満 ライ症候群の可能性

●アセトアミノフェン

・中枢作用で胃腸障害が少なく、空腹で使えるものもある

・末梢での抗炎症は期待できない

【重】 皮膚粘膜眼症候群
中毒性表皮壊死融解症
急性汎発性発疹性膿疱症(きゅうせいはんはつせいほっしんせいのうほうしょう)
間質性肺炎
腎障害
肝機能障害
【注】 用量の超過 【重】が起こりやすくなる
アルコールを好む

●イブプロフェン

・アセチルサリチル酸に比べると胃腸障害が少ない

・抗炎症を併せて持つため、頭痛や咽頭痛、腰痛、月経痛等によく使われる

【禁】 15歳未満
出産予定12週以内
【相】 全身性エリテマトーデス 特に無菌性髄膜炎を生じやすい
混合性結合組織病
【重】 肝機能障害
腎障害
無菌性髄膜炎
【注】 胃・十二指腸潰瘍 既往歴があると再発の可能性
潰瘍性大腸炎
クローン病

●イソプロピルアンチピリン

・解熱鎮痛としては比較的強いが、抗炎症は弱い

・現時点でOTC唯一のピリン系

【禁】 ピリン系使用による薬疹歴

●生薬

ジリュウ フトミミズ科

Pheretima aspergillum Perrier(ジンカンモウイン)又は近縁動物の内部を除いたもの

感冒時の解熱
ショウキョウ ショウガ科 ショウガの根茎
発汗促進による解熱補助
ケイヒ クスノキ科 シンナモムム・カッシアの樹皮又は周皮の一部を除いたもの
発汗促進による解熱補助
ゴオウ ウシ科 ウシの胆嚢(たんのう)中に生じた結石
解熱
カッコン マメ科 クズの周皮を除いた根
解熱
サイコ セリ科 ミシマサイコの根
解熱
ボウフウ セリ科 ボウフウの根や根茎
解熱
ショウマ キンポウゲ科 サラシナショウマ等の根茎
解熱
センキュウ セリ科 センキュウの根茎を湯通ししたもの
鎮痛
コウブシ カヤツリグサ科 ハマスゲの根茎
鎮痛

■くしゃみ、鼻水抑制

・抗ヒスタミン、抗コリン成分

●全体

【禁】 機械類の運転操作 眠気、眩しさ、かすみ
【相】 排尿困難 症状の悪化
心臓病 症状の悪化
緑内障 症状の悪化
高齢者 基礎疾患として【相】を持っている可能性があるため
【副】 排尿困難
口渇
眠気
眩しさ、目のかすみ
便秘

●抗ヒスタミン

・クロルフェニラミンマレイン酸塩

・カルビノキサミンマレイン酸塩

・メキタジン

【重】 アナフィラキシー
肝機能障害
血小板減少

・クレマスチンフマル酸塩

・ジフェンヒドラミン塩酸塩

【禁】 授乳中 ジフェンヒドラミンが乳汁に移行し、昏睡を引き起こす可能性

●抗コリン

・ベラドンナ総アルカロイド

・ヨウ化イソプロパミド

■鼻粘膜充血緩和、気管支拡張

・アドレナリン作動成分

●全体(「プソイドエフェドリン塩酸塩」を除く)

【相】 心臓病 症状の悪化
高血圧 症状の悪化
糖尿病 症状の悪化
甲状腺機能障害 症状の悪化
高齢者 基礎疾患として【相】を持っている可能性があるため

●アドレナリン作動

・メチルエフェドリン塩酸塩

【注】 長期連用 依存性があるため
授乳中 影響は不明だが、乳汁中に移行するため

・メチルエフェドリンサッカリン塩

【注】 長期連用 依存性があるため
授乳中 影響は不明だが、乳汁中に移行するため

・プソイドエフェドリン塩酸塩

-他のアドレナリン作動に比べ中枢神経系に対する作用が強い

【禁】 心臓病 症状の悪化
高血圧 症状の悪化
糖尿病 症状の悪化
甲状腺機能障害 症状の悪化
排尿困難 症状の悪化

モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)をパーキンソン病治療に使用中

プソイドエフェドリンの代謝が妨げられることによる【副】の可能性
【副】 不眠
神経過敏
めまい
頭痛
排尿困難
【注】 長期連用 依存性があるため

●生薬

マオウ マオウ科 マオウ等又はエフェドラ・エクイセチナの地上茎
気管支拡張

鎮咳(ちんがい)

●麻薬性鎮咳

・全体

-モルヒネと同じ基本構造がある

【禁】 妊婦、妊娠疑い 血液-胎盤関門通過による胎児への影響
授乳中 乳児のモルヒネ中毒の可能性
【副】 便秘
【注】 長期連用 薬物依存の可能性

・コデインリン酸塩

・ジヒドロコデインリン酸塩

●非麻薬性鎮咳

・ノスカピン

・ノスカピン塩酸塩

・デキストロメトルファン臭化水素酸塩

・デキストロメトルファンフェノールフタリン塩

・チペピジンヒベンズ酸塩

・ジメモルファンリン酸塩

・クロペラスチン塩酸塩

・クロペラスチンフェンジゾ酸塩

●生薬

ナンテンジツ メギ科 シロミナンテン等の果実
鎮咳

去痰(きょたん)

・グアイフェネシン

-気道粘膜からの分泌促進

・グアヤコールスルホン酸カリウム

-気道粘膜からの分泌促進

・ブロムヘキシン塩酸塩

-分泌促進、溶解低分子化、繊毛運動促進

・エチルシステイン塩酸塩

-痰中の粘性たんぱく質を溶解、低分子化

●生薬

シャゼンソウ オオバコ科 オオバコの花期の全草
去痰
セネガ ヒメハギ科 セネガ等の根
去痰
キキョウ キキョウ科 キキョウの根
去痰
セキサン ヒガンバナ科 ヒガンバナの鱗茎(りんけい)
去痰
オウヒ バラ科 ヤマザクラ等の周皮
去痰

■抗炎症

●リゾチーム塩酸塩

・鼻粘膜や喉の炎症を修復

・気道粘膜の線毛運動促進による去痰も併せて持つ

【禁】 鶏卵アレルギー 卵白由来の成分であるため
【重】 アナフィラキシー
皮膚粘膜眼症候群
中毒性表皮壊死融解症
【注】 乳児に使用 アナフィラキシーの可能性があるため要観察

●ブロメライン、セミアルカリプロティナーゼ

・体内で賛成される炎症物質の分解

・炎症組織の炎症浸出物の分解、腫れの緩和

・痰の粘り気を弱める去痰も併せて持つ(セミアルカリプロティナーゼ)

【相】

血液凝固異常

(血が固まりにくい状態)

血を固める「フィブリン」等を分解することによる出血傾向の悪化
肝機能障害 代謝や排泄の遅延による【副】の可能性が上がる
【副】 出血(鼻血等)

●トラネキサム酸

・体内での気炎物質産生を抑制

【相】

血栓

(脳血栓や心筋梗塞等)

固まった血を溶け難くする作用があるため

●グリチルリチン酸()カリウム

・「グリチルリチン酸」がステロイドに似た作用を持つ

【禁】 「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の長期連用 【重】の可能性が高まる
【相】 むくみの「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用 【重】の可能性が高まる
心臓病の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
肝臓病の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
腎臓病の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
高血圧の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
高齢者の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
【重】 偽アルドステロン症
【注】 「グリチルリチン酸」は甘味料として薬以外にも使用 薬との重複による過剰摂取

●生薬

カミツレ キク科 カミツレの頭花
発汗、抗炎症

■漢方

葛根湯(かっこんとう)

・中↑

・カンゾウ、マオウ

【効】 感冒の初期汗が出ていない)、鼻風邪、鼻炎、頭痛、肩凝り、筋肉痛、手や肩の痛み
【副】 虚弱、胃腸が弱い、発汗傾向 吐き気、胃部不快感等

麻黄湯(まおうとう)

・充実

・カンゾウ、マオウ

【効】 風邪ひき始め、寒気、発熱、頭痛、咳、節々の痛み、汗が出ていないもの 感冒、鼻風邪、気管支炎、鼻詰まり
【禁】 虚弱 マオウの含有量が多いため
【副】 胃腸が弱い、発汗傾向 吐き気、胃部不快感、発汗過多、脱力感等

小柴胡湯(しょうさいことう)

・中

・カンゾウ

【効】 脇腹からみぞおちが苦しい、食欲不振、口の苦味、舌に白苔(はくたい)がつくもの 食欲不振、吐き気、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感、風邪の後期
【禁】 インターフェロン製剤で治療中 間質性肺炎の可能性が高まる
【相】 肝臓病 間質性肺炎を起こす要因の一つであるため
【重】 間質性肺炎
肝機能障害
【副】 膀胱炎様症状

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

・やや虚弱~中

・カンゾウ

【効】 腹痛を伴う、ときに微熱、寒気、頭痛、吐き気等のもの 胃腸炎、風邪の中期~後期
【重】 間質性肺炎
肝機能障害
【副】 膀胱炎様症状

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

・やや虚弱~中

・カンゾウ、マオウ

【効】 薄い水様の痰を伴う咳、鼻水が出るもの 気管支炎、気管支喘息、鼻炎(アレルギー性含)、むくみ、感冒、花粉症
【重】 肝機能障害
間質性肺炎
偽アルドステロン症
【副】 虚弱、胃腸が弱い、発汗傾向 吐き気、胃部不快感等

桂枝湯(けいしとう)

・虚弱

・カンゾウ

【効】 汗が出るもの 風邪の初期

香蘇散(こうそさん)

・虚弱

・カンゾウ

【効】 神経過敏、気分がすぐれない、胃腸が弱いもの

風邪の初期、血の道症

(血の道症:女性ホルモン変動による精神や身体症状)

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

・中↑↓

いずれも含まれない

【効】 気分が塞ぐ、咽喉や食道の異物感、ときに動悸、めまい、嘔吐等を伴うもの 不安神経症、神経性胃炎、つわり、咳、しわがれ声、咽喉のつかえ感

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

・中↓

・カンゾウ

【効】 が切れにくい、ときに強く咳き込む、咽頭の乾燥感があるもの 咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声
【重】 間質性肺炎
肝機能障害
【副】 水様痰が多い

■鎮静

・脳の興奮を抑制、痛覚を鈍くする

・全体

【禁】 機械類の運転操作 眠気
【注】 長期連用 依存性があるため

・ブロモバレリル尿素

【禁】 妊婦、妊娠疑い 胎児に障害が起こる可能性

・アリルイソプロピルアセチル尿素

■制酸

・解熱鎮痛の胃腸障害軽減のためであり、胃腸症状の薬効は謳えない

●アルミニウム系

・全体

【禁】 透析治療中 アルミニウム脳症を引き起こす可能性
長期連用
【相】 腎臓病 無機塩類の排泄が遅れることによる体内への貯留

・ケイ酸アルミニウム

・水酸化アルミニウムゲル

●マグネシウム系

・全体

【相】 腎臓病 無機塩類の排泄が遅れることによる体内への貯留

・酸化マグネシウム

■カフェイン類

・鎮痛の補助

眠気を取るものではない

・全体

【禁】 胃酸過多 胃腸障害の可能性が高まる
胃潰瘍
心臓病 動悸の可能性が高まる
【相】 甲状腺障害 症状の悪化
てんかん 症状の悪化
【副】 震え、めまい、不安、頭痛、不眠
胃腸障害
動悸
【注】 長期連用 依存性があるため
妊婦、妊娠疑い 血液-胎盤関門通過による胎児への影響
授乳中 乳児のカフェイン蓄積による頻脈、不眠
摂取量の上限 200mg/1回、500mg/1日

・カフェイン

・無水カフェイン

・安息香酸ナトリウムカフェイン

■ビタミン、強壮

・風邪の時に消耗しやすい物質の補給

●ビタミンB1

【主】 チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ビスチアミン硝酸塩、チアミンジスルフィド、フルスルチアミン塩酸塩、ビスイブチアミン
【効】 神経痛、腰痛や肩凝り等の筋肉痛や関節痛、痺れ、便秘、眼精疲労、脚気(かっけ)緩和、肉体疲労時の補給

●ビタミンB2

【主】 リボフラビン酪酸エステル、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビンリン酸エステルナトリウム
【効】 口角炎、口唇(こうしん)炎、口内炎、舌炎、湿疹、皮膚炎、かぶれ、ただれ、にきび、肌荒れ、赤鼻、目の充血や痒み緩和、肉体疲労時の補給
【注】 尿が黄色くなる

●ビタミンC

【主】 アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム
【効】 しみ、そばかす、色素沈着緩和(日焼け等)、歯茎や鼻からの出血予防、肉体疲労時の補給

●ヘスペリジン

・ビタミン様物質

・ビタミンCの吸収補助

●アミノエチルスルホン酸(タウリン)

・体のあらゆる部分に存在

・細胞が正常に働くために必要

・肝臓機能を改善

●生薬

ニンジン ウコギ科 オタネニンジンの細根を除いた根又は軽く湯通ししたもの
神経系の興奮、副腎皮質の機能亢進
チクセツニンジン ウコギ科 トチバニンジンの根茎を湯通ししたもの
血行促進、抗炎症

スポンサーリンク