09.胃腸薬(健胃系)

【禁】:使用してならない、しない、避ける、適用外
【相】:治療を行っている医師、調剤を行った薬剤師への相談
【重】:まれに起こる重篤な副作用
【副】:一般的に現れやすい副作用、漢方製剤では不向きも含む
【注】:再発を招く、要観察、注意喚起、その他注意点
【効】:漢方製剤等の効能、効果
【主】:主製剤

◆胃腸薬(健胃系)で使われる成分

■制酸

・中和によって胃酸の働きを弱める

●炭酸水素ナトリウム

・「重曹」とも

【相】 腎臓病 無機塩類の排泄が遅れることによる体内への貯留

●アルミニウム系

・全体

【禁】 透析治療中 アルミニウム脳症を引き起こす可能性
長期連用
【相】 腎臓病 無機塩類の排泄が遅れることによる体内への貯留
【注】 便秘 止瀉薬に配合される成分でもある

・乾燥水酸化アルミニウムゲル

・ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート

●マグネシウム系

・全体

【相】 腎臓病 無機塩類の排泄が遅れることによる体内への貯留
【注】 下痢 瀉下薬に配合される成分でもある

・ケイ酸マグネシウム

・酸化マグネシウム

・炭酸マグネシウム

●アルミニウム+マグネシウム系

・全体

【禁】 透析治療中 アルミニウム脳症を引き起こす可能性
長期連用
【相】 腎臓病 無機塩類の排泄が遅れることによる体内への貯留
【注】 下痢 止瀉のアルミニウムと瀉下のマグネシウムを含むが、下痢に注意

(参考:「おくすり110番」合成ヒドロタルサイト

・合成ヒドロタルサイト

・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム

●カルシウム系

・全体

【相】 腎臓病 無機塩類の排泄が遅れることによる体内への貯留
【注】 便秘 止瀉薬に配合される成分でもある

・沈降炭酸カルシウム

・リン酸水素カルシウム

●生薬

ボレイ イボタガキ科 カキの貝殻
炭酸カルシウムを含み、制酸

■健胃

・味覚、嗅覚への刺激で唾液や胃液の分泌を促進(その他を除く)

・その効果の起動条件から、味や香りを遮断する服用の仕方(オブラート等)は適切ではない

●生薬

オウバク ミカン科 キハダやフェロデンドロン・キネンセの周皮を除いた樹皮
苦味による健胃
日本薬局方収載:オウバク末は止瀉薬としても
オウレン キンポウゲ科 オウレン等の根をほどんど除いた根茎
苦味による健胃
日本薬局方収載:オウレン松は止瀉薬、外用薬としても
センブリ リンドウ科 センブリの開花期の全草
苦味による健胃
日本薬局方収載:センブリ末は健胃薬、止瀉薬としても
ゲンチアナ リンドウ科 ゲンチアナの根及び根茎
苦味による健胃
リュウタン リンドウ科 トウリンドウ等の根及び根茎
苦味による健胃
ユウタン クマ科 ヒグマ等の胆汁を乾燥したもの
苦味による健胃、消化補助
同様の作用として動物胆(ウシ等)も
ケイヒ クスノキ科 シンナモムム・カッシアの樹皮又は周皮の一部を除いたもの
香りによる健胃
コウボク モクレン科 ホオノキ、カラホオ等の樹皮
香りによる健胃
ショウキョウ ショウガ科 ショウガの根茎
香りによる健胃
チョウジ フトモモ科 チョウジのつぼみ
香りによる健胃
チンピ ミカン科 ウンシュウミカンの成熟した果皮
香りによる健胃
ソウジュツ キク科 ホソバオケラ等の根茎
香りによる健胃
ビャクジュツ キク科 オケラ等の根茎
香りによる健胃
ウイキョウ セリ科 ウイキョウの果実
香りによる健胃
オウゴン シソ科 コガネバナの周皮を除いた根
香りによる健胃

●その他

・乾燥酵母

-胃腸の働きに必要な栄養素の補給により胃の働きを高める

・カルニチン塩化物

-胃液分泌の促進、胃の運動を高める、胃壁の循環血流の増加

-ただし、働きは必ずしも明らかにはなっていない

■消化

●たんぱく質、脂質、炭水化物、繊維質等の分解に働く酵素の補助

・ジアスターゼ

・プロザイム

・ニューラーゼ

・リパーゼ

・セルラーゼ

・ビオジアスターゼ

・タカジアスターゼ

●胆汁の分泌促進による消化補助

・全体

【相】 肝臓病 肝臓の働きを高める作用もあるため

・胆汁末

・ユウタンを含む動物胆

・ウルソデオキシコール酸

・デヒドロコール酸

■胃粘膜保護、修復

・胃粘液の分泌促進、胃液による消化からの保護、胃粘膜の修復促進

●アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)

●アルジオキサ

・「アラントイン」+「水酸化アルミニウム」であり、アルミニウムを含む

【禁】 透析治療中 アルミニウム脳症を引き起こす可能性
長期連用
【相】 腎臓病 無機塩類の排泄が遅れることによる体内への貯留

●スクラルファート

アルミニウムを含む

【禁】 透析治療中 アルミニウム脳症を引き起こす可能性
長期連用
【相】 腎臓病 無機塩類の排泄が遅れることによる体内への貯留

●ゲファルナート

●ソファルコン

【相】 肝臓病 【重】の可能性
【重】 肝機能障害

●テプレノン

【相】 肝臓病 【重】の可能性
【重】 肝機能障害
【副】 腹部膨満感、吐き気、腹痛、頭痛、皮下出血、便秘、下痢、口渇

●セトラキサート塩酸塩

【相】 血栓 代謝によりトラネキサム酸を生じる

●トロキシピド

●銅クロロフィリンカリウム

●銅クロロフィリンナトリウム

●メチルメチオニンスルホニウムクロライド

■抗炎症

・胃粘膜の炎症緩和

●グリチルリチン酸系

・全体

【禁】 「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の長期連用 【重】の可能性が高まる
【相】 むくみの「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用 【重】の可能性が高まる
心臓病の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
肝臓病の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
腎臓病の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
高血圧の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
高齢者の「グリチルリチン酸」として40mg↑/1日の使用
【重】 偽アルドステロン症
【注】 「グリチルリチン酸」は甘味料として薬以外にも使用 薬との重複による過剰摂取

・グリチルリチン酸カリウム

・グリチルリチン酸二カリウム

・グリチルリチン酸モノアンモニウム

●生薬

カンゾウ マメ科 ウラルカンゾウ等の根及びストロン、時に周比を除いたもの
抗炎症、グリチルリチン酸を含む

■消泡

●ジメチルポリシロキサン

・「ジメチコン」とも

・消化管内容物中に発生した気泡の分離促進

■胃酸分泌抑制

●抗コリン

・これらが含まれるものを服用した場合、胃腸鎮痛鎮痙薬や乗り物酔い防止薬との併用は避ける

・全体

【禁】 機械類の運転操作 眠気、眩しさ、かすみ
【相】 排尿困難 症状の悪化
心臓病 症状の悪化
緑内障 症状の悪化
高齢者 基礎疾患として【相】を持っている可能性があるため
【副】 排尿困難、口渇、眩しさ、目のかすみ、便秘

・ロートエキス

-ロートコン(ナス科ハシリドコロ等の根茎及び根)からの抽出物

【禁】 授乳中 母乳中への移行による乳児の頻脈の可能性
【注】 母乳が出にくくなる

・ピレンゼピン塩酸塩

-消化管の運動にほとんど影響を与えずに胃液分泌抑制を行う

-ただしそれ以外は他の抗コリンと変わらない

【重】 アナフィラキシー

■漢方

安中散(あんちゅうさん)

・中↓

・カンゾウ

【効】 胃痛、腹痛、ときに胸焼け、げっぷ、食欲不振、吐き気を伴うもの 神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱

人参湯(にんじんとう)理中丸(りちゅうがん)

・虚弱

・カンゾウ

【効】 疲れやすい、手足の冷えのもの 胃腸虚弱、下痢、嘔吐、胃痛、腹痛、急性胃炎、慢性胃炎
【禁】 下痢、嘔吐に用いる場合の長期連用

平胃散(へいいさん)

・中↑

・カンゾウ

【効】 胃もたれ、消化不良、時に吐き気、食後の下痢傾向 食べ過ぎによる胃もたれ、急性胃炎、慢性胃炎、消化不良、食欲不振
【禁】 急性胃炎に用いる場合の長期連用

六君子湯(りっくんしとう)

・中↓

・カンゾウ

【効】 胃腸が弱い、食欲不振、みぞおちのつかえ、疲れやすい、貧血、手足の冷えのもの 胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐
【重】 肝機能障害

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